声帯が痛い?

2024.11.30



「声帯が痛い」
「片側の声帯が何かおかしい・・」

時々聞かれる訴えではありますが、
声帯そのものには、意識可能な感覚神経がありませんので、痛みを感じることはありません。

そのように感じるとき、何が起こっているかというと、
可能性としては、その周辺の別の部位の違和感か、
別の理由で生じている声の音の違和感、ということになろうかと思います。

大切なのでもう一度。

声帯には意識できる感覚神経がありません。

つまり声帯自体を、自分の意思でどうこうしようとすることは不可能です。

発声について観察・考察するとき、また、発声方法を伝えるときには、
別の部位、筋肉の操作を観察・アプローチしてゆく必要があります。
ここに、声を育てる難しさ、その一因があると言えると思います。

私たちが考える良き発声、というのは、
声帯を痛めない出し方です。
特定のジャンルの発声が良い、悪い、ということはなく、
どんなジャンルにおいても、声帯をいためず、
持久力を維持してパフォーマンスすることができる発声を目指すことが可能です。

AVHCにいらしてくださる方々の話からは、ジャンル問わず似たような状況が伺えます。
具体的にどこをどうしたら良いのかという情報に
触れることができないまま現在に至っていること、
「発声難民」とご自身を表現される方々も少なくありません。

私たちの歩みは微々たるものですが、
まずは科学的な根拠をもとにした情報と、
実際にそれをもとに演奏活動を続けたところのノウハウをお伝えすること。
そして、方向性を得た皆さんの変化変容を、
また次のクライアントさんに巡らせる。そんなお仕事です。

次回は、声帯を動かす運動プログラムについて、お話したいと思います。