干渉波
2024.12.22
声のクリニック赤坂の治療法として患者様にもお馴染みになりました「干渉波」。
弱い電気を流し、ガンマ神経に刺激を入れる治療法です。
「干渉波を流すことによって、発声障害に陥った方々の症状が軽減されるのでは・・・」
前回ご紹介したピットマン先生の説に触れた院長の発想によるものです。
声のひっくり返りや、つまりといった症状が、
ガンマ神経の伝達異常なのではないか・・・
であれば、弱い電流を流したら変化があるかもしれない、と。
強い刺激は、どんな神経にも影響を与えますが、
弱い電気は、細い神経にだけ影響を与えます。
前回の記事で触れたように、ガンマ神経は細い神経です。
実際、ひっくり返りやつまりの患者様に施療したところ、
安定する確率が高いことが分かりました。
干渉波だけで改善が見られる方もいらっしゃいますが、
これをきっかけに発声法を見直し、新たなトレーニング法で練習を重ねることで、
症状から脱してゆく方々も少なくありません。
機能的な発声障害への対処法としてはLegatoが有効的、
というお話は以前にさせていただきましたが、
Legato動作によって生じる安定した息の流れ・息圧は、
声帯の自励運動を助けることに繋がるからだと思われます。
関連記事:機能的な歌唱発声障害への対処法 ー legato ー
2回に分けてお話しましたが、
練習をする、というのは、声帯の動作の按配を習得する、ということ。
それは、どういうことかというと、
ガンマ神経を使った筋紡錘のセンサー感度調節を習得する、ということ。
このループを確かなものにするためには、仕組みを頭で理解することと同時に、
その動作の按配をはかりつつ、トライアンドエラーを繰り返すこと。
体の声を聴くセンサーを研ぎ澄ますこともまた、
上達のペースアップに繋がるかもしれませんね。