胸鎖乳突筋と斜角筋

2024.10.13



「喉が痛いので風邪だと思って受診したら、喉の粘膜に炎症なし・・・」
こんな経験、皆さんはありませんか?


この場合、筋肉の痛みを粘膜の炎症の痛みと感じていることが少なくありません。

声を使う職業を長年していると、いろんなことに気がつきやすくなりますが、
「どう考えてもこれは風邪だ!」と思っても、あれ〜やっぱり違った・・という患者様は珍しくありません。
それほど粘膜炎症初期の痛みと筋肉の痛みは似ているのです。

痛みの原因が生じた部位と異なる部位に痛みを感じることを「関連痛」と言いますが、
駒澤医師によると、これもその一種だと考えられそうだそう。

さて、そんな時に注目していただきたい筋肉が、
胸鎖乳突筋と斜角筋。
声を駆使する職業の方が凝りやすい首の筋肉です。
喉が痛いのに粘膜炎症のない場合、これらの筋肉がガチガチに固くなっているケースが少なくありません。
そして、そこが緩むと「喉が痛い」という主訴が軽快したりします。意外ですよね。


胸鎖乳突筋とは、首の筋肉の中で最も大きく、鎖骨の周辺から耳の後ろにかけて伸びている筋肉。
前屈みや猫背の姿勢によっても凝って硬くなるので、これは現代人のかなりの方々が要注意、ですね。
斜角筋は、胸鎖乳突筋の奥にあり、動かすというより首を支える役目の大きい筋肉。
首から肋骨まで付いており呼吸を補助する筋肉なので、力んだ胸式呼吸を繰り返すことで固くなっていきます。

そして!声のひっくり返りやツマリ症状にも、これらの筋肉の凝りが大きな影響を及ぼしていると言っても過言ではありません。
姿勢を適切なものに調整するだけで、症状の何割かは消えてしまうケースは珍しくありません。
声の症状がない方でも、この筋肉が固くなっていると、声の自由度が損なわれてしまいますので、普段から姿勢やケアは大切です。

毎日声を酷使している方々、お忙しい皆さんだからこそ、是非ご自身でケアをしていただきたいなぁ・・
というわけで、とっておきのグッズをご紹介します。
手軽さと効果の大きさを考えたところ、まずは2種。ご参考までに。



*AT mini CHARGE



伊藤超短波株式会社さんが開発したコンディショニング機器で、マイクロカレント(微弱電流)を発生させます。 自らの身体を治癒させる時に人体に流れている電流とほぼ同等の強さの電流を流すことで、コンディションを整え、ケアすることができます。 とっても軽くてコンパクトなので移動中も使用可能です。また、刺激は殆ど感じられない程なので、就寝時にも使用することができます。 本番や練習後のトリートメントはもちろん、鎮痛や疲労回復にも最適です。 Akasaka Voice Health Centerでご購入してくださった方々のお声としては上記のほか、 「声帯炎症が早く引いた」「翌日の声の復活度合いが良くなった」「長引いていた腰痛が一晩で寛解した」というケースもあります。 詳しい製品情報はこちら(類似商品との比較も)↓
https://ito-ec.jp/column/archives/1975#:~:text=ATminiシリーズとは

AT mini CHARGEは、声のクリニック赤坂でもご購入可能です。
ご興味のある方は、ご受診の際スタッフにお声がけくださいね。



*ローラー鍼(小児鍼)




脳脊髄液減少症の症状に対し、自分でもできるケア方法が他にもないかな・・と、代替医療の先生にご相談したところ教えていただいたのがこちら。
これは、本当に手軽で効果が感じられるコンディショニンググッズです。
ツボを知らない方でも、とにかく体のどこでもコロコロと皮膚刺激を与えてもらうと、体が変化するのを感じられると思います。

特に皆さんにおすすめしたい理由は・・・そうです、首です!!
胸鎖乳突筋、斜角筋にコロコロしてみてください。
強い刺激は割と早めに症状が戻ってしまう傾向にありますから、優しくコロコロ。

ついでに顔もコロコロっとすると、血流が改善されるようでして、むくみ解消に繋がるなど美容的な効果も得られるわけですが、
私がとってもお伝えしたいこととしては、そんなことよりも(美容も大切ですが・・)、
顔への刺激は自律神経を整えるのにもとても効果があるので、是非とも美容に興味がない方も、顔を優しくコロコロしてみていただきたいなぁと思います。
声の操作には自律神経が深く深く関わっているためです。
適度な「皮膚刺激」は、反射的な作用により、その部位の筋肉の緊張を緩和させるとともに、
自律神経の安定をもたらすと言われています。
鍼灸や乾布摩擦など、ケアのための皮膚刺激には色々なものがありますが、
簡便性と効果の持続性からもローラー鍼は良いと思います。

いろんな類似品がありますが、特におすすめ商品は上記写真のHathi ローラー鍼。
音がしないので場所を選ばず使用できます。
サイズは手のひらに乗るくらいですので、これまでご紹介した方々は、バックに入れて愛用くださる方々も少なくありません。

コロコロの反対側では、ツボ刺激ができるようにもなっています。
胸鎖乳突筋のツボは、耳の後ろにあるでっぱった骨の真下のくぼみにある「天牖(てんゆう)」。
他にも色々、ネットで調べればツボは出てきますが、その辺りをコロコロでもOKかと。

こちらの商品も、販売を開始しました。
スタッフも愛用していますので、使用感など是非お尋ねください。


ちなみに、
我が家はただいま老犬介護の日々ですが、
徘徊や夜泣きがこのコロコロで解消した時期がありました。
最近は慣れてしまったのか、それでコテっと寝ることはなくなりましたが、
でも、コロコロしてあげると気持ちよさそうです。
ワンコのマッサージにも是非!